未だ風邪引き中です。
家のこととか庭のこととかバイクのこととか
何も作業できていないので、うんちく書いてみます。
セローのスプロケ選択関連で検索してウチに見えてる方が
いらっしゃる様ですが、そういえばその辺りのことって
まだ書いてなかったなぁ・・・という訳で、このネタにします。
セロー225のスプロケ選択はネットで検索すれば、いろいろ
情報が出てきますが、自分的には???と思うものもあります。
自分の考えの方が正しいって訳ではありませんが、セローで
トライアル競技と、エンデューロ競技の両方に出ていて、
どちらもその筋専門のセローの使い手には適いませんが、
両方でそこそこの成績は残せている人間の意見として
参考になれば・・・という感じです。
ちなみに自分は競技会場などでセローの使い手の方に
お会いしたら、必ずスプロケット選択をどうしているか
教えてもらったり、見せてもらったりしてきました。
関東のK井さん、故S井さん、九州のT枝さんとか。
セロー225のスプロケ選択を考えるには、まずセロー225の
トランスミッションを正しく理解することが必要です。
セロー225の1速はマウンテントレールとして2輪2足で
険しい道も進める様に低めに設定されている
(=初心者でもトレッキングが楽しみ易い)
みたなことが言われていますが、それはこういうことです。
セロー以外のXT200系エンジンは
1速 2.923
2速 1.888
3速 1.428
4速 1.125
5速 0.925
6速 0.793
となっている一方
セローだけは
1速 3.090
2速 2.000
(3速~6速は共通)
なのです。
前者の減速比になっている、
セロー以外のXT200系エンジン搭載車は
XT200(23J)以外に
最初期型のセローと同時期に開発された競技?(ファンライド)
専用車の1986年?TT225(1RH)
自分も昔ボロボロのこれを安く手に入れて、レストアして
レースに使っていました。 国内発売された時期も
あったのか?日本語のサービスマニュアル、パーツカタログ
が存在します。コピー版ですが自分も持っています。
ブロンコとか
検索してもスペックが特定できないのですが、
今も北米で普通に発売されているTT-R230も多分そうだと思われます。
1速を下げたかったら、トランスミッションを変更しなくても、
減速比を変えて全体を下げた方が簡単なのですが、それをやると
高速巡航時の快適さが落ちる(エンジン回転数が高くなってしまう)ので、
わざわざ1速、2速だけを低くしてあるのがセローのエンジンなのです。
結果的にセローのエンジンはワイドレシオ(1速と6速の離れ方が大きい)で、
特に2-3速間が離れているということになります。
ちなみに、上記のTT225(1RH)は、2次減速比(前後スプロケによる減速)が
セローの15:45と異なり、14:50が標準になっていますので、実際には
TT225の1速の方がセローの1速より低い(遅い、力強い)です。用途とか
コンセプト的に2-3速間が離れる(つながりが悪くなる)のは望ましくない
でしょうし、高速巡航性能なんて気にしなくて良いでしょうから、そういう
選択になっているのでしょう。
XT200でトレッキング的なことを楽しんでいた大ベテランは、セローで
2-3速間が離れてしまったことに対する不満もある様で・・・。
(よく分かります。)
また、セローをモトクロス的なコースを使ったエンデューロに使おうとして、
2-3速間が離れていることに不満を感じる方もいらっしゃる様で。
(分かります。が、それだけでなくサスや車体全体からして、セロー225は
そういう用途には向かないと思います・・・。)
この辺りを踏まえた上で、次回減速比のことを書きたいと思います。